イッテQ史上伝説の祭り。これがトマティーナ祭りだ。 8月28日inスペイン
- 2019.09.13
- 第4章(ヨーロッパ)
- スペイン, バレンシア
リアルタイムはケニアのマサイマラサファリにおります!
どうも。安井です。ケニアのサファリも明日で最終日。ビッグ5の動物たちはほとんど観れたのですが唯一サイが見れませんでした。明日はサファリではなくマサイ族の村に訪れる予定のためこのままではサイに会えなさそうです。いっそ街中にでも出てきてほしいですね。出てきたら出てきたで困りますね。
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8時。
起床。
野宿スポットを後にしてトマティーナの会場に向かう。
既にトマトを投げ出したくてうずいている僕の右手。
昨夜の前夜祭もかなり盛り上がってはいたが、それとは比べものにならない程の人だかりが出来ていた。
あたりではビールやサングリア、パエリアなどが販売されており、まだ始まってもいないのにお祭り騒ぎだった。
日本人の数もかなり多い。なんなら地元の人は参加しないらしい。
トマティーナ、トマティーナと何度も言っているがそもそもトマティーナ祭りとはなんなのか。説明したいと思う。
年に一回、スペインのブニョールに開催される祭り。毎年二万人ほどの参加者がいるそう。日本ではイッテQで放送されたことにより有名になった。
会場は一本の大きな道路で行われる。その戦場において、これでもかと言うほどのトマトを投げ合うのだ。
周囲は民家の壁に囲まれているため退路は断たれる。
祭りの開始は10時から。
街の真ん中に固定された支柱が建てられていて、そのてっぺんについてる生ハムの袋を取ることがトマティーナ祭り開始の合図となる。
しかし、この生ハムの袋がなかなか取れないのだ。
支柱は石鹸が塗られているため登ることは非常に困難。
ここ数年は生ハムの袋を誰も取れずにいる。
生ハムを取れないのだとしたらどうやって祭りが始まるのか?
11時には強制的に始まるのだ。
しかし、そんな開始は誰もが望んでいないのだ。
今年こそはおれが。今年こそは。
生ハムを取らずして始まるトマティーナなどトマティーナではないのだ。
なお、トマトを投げ合う時間は1時間。生ハムと合わせても祭り自体は10時に始まり12時には終わりを迎える。
午後を有効的に使いたい朝型人間に特化した祭りだ。
なお荷物を預ける場所は特設コーナーとして設けられているため心配はいらない。
荷物を全て預けて。身軽になったこの身体で僕はどこへだって行けるよ。だ。
なお、今年は早朝にチケットコーナーへ行けば当日券でも買えた模様。
会場に着いた僕らも周囲の参加者と同様、荷物を預けたあとはビールを飲んだりして待機していた。
気づけば時刻は10時。
生ハム争奪戦が幕を開けた。
道を歩いていると何やら人だかりが。目線の先には一本の柱。
ここが生ハム争奪戦の会場らしい。
正直人が多すぎて生ハムどころではない。
柱にもたどり着けない。
少し傍観していたが。
自分に問いかける。
何をしに日本から来たのだ。
お前は何を見ているのだ。
生ハムを故郷に持ち帰るのは誰だ。
おれしかいないだろ。
荒れ狂う人の波をかき分け、着実に柱へと近づく。
柱からまだ距離があるところであったとしても柱の周りを固める猛者達の熱波が伝わってくる。
老若男女関係ない。
狙うは生ハムだ。
なんとか柱まで到着。
周囲にいる人だかりにをかきわけ柱へ。
柱をよじ登る。溢れかえる周囲の歓声。まるでこの世界を掌握したかのような錯覚。
感極まった僕はこのままでは登れないと履いていたサンダルを人混みの中に投げ捨てた。
ファンサービスだ。くらいの気持ちでいたが。
よく考えれば全く知らないおっさんみたいなやつのサンダルが飛んでくるのだ。
土下座して謝りたい。日本人の誠意を見せたい。
そんな思いに浸っていたのもつかの間。後続として生ハムを目指す同志に足を引っ張られる。
達成したい目標は同じなのに。全員で足を引っ張り合うのだ。
日置くんもかんばって柱にくらいつくもおっさんの猛攻を受ける。
皆、目標は同じはずなのに。足を引っ張りあうのだ。だいの大人が必死の形相で生ハムを目指すことよりも滑稽だ。何故、僕らは足を引っ張り合っているのだろうか。
ふと柱のふもとを見る。そこにはいたのだ。みんなを支える縁の下の力持ち達が。
柱に背を向け。誰かが登れるように土台に徹している屈強な戦士達が。
僕もその一員に加わる。
柱の下の人々は
Make a wall!!
と叫んでいた。
だんだんと協力の体制が見えてくる。
無理に登ろうとするやつを止め、おのおのが得意とする分野に活路を見出す。
それでも僕らの手は生ハムまで届かない。
上の人が落ちる。
Wallは音を立てて崩れ出す。
上に登っている人が落ちてくるため柱付近は非常に危険だ。
中にはあまりの熱気に酸素が足りなくなり倒れ込んでしまっている人もいた。
それでもまた立ち上がり。人々は生ハムを目指す。国家間のしがらみを超え。年代を超え。
女性や子供が登ろうとした時は全力でサポートする。
なんて素敵な光景だろうか。
仲が悪くなった時には柱を一本立て頂上に生ハムの袋をくくりつければ大概仲直りできるだろうとすら思わされた。
そして聞きたくもないチャイムの音。
歓喜の声、嘆きの声。おのおのが感情の赴くままに叫ぶ。
こうしてトマティーナ祭りの火蓋が落とされた。
今年も生ハムを柱の上に残したまま。
大量のトマトを詰んだトラックが広場の道路を通り過ぎる。荷台に乗っている係員からトマトの散弾銃が。
ブニョールの街が瞬く間に赤に染まっていく。
地獄絵図だ。
祭りのトマトを全ておれのところに持ってこい!と叫び散らかすくらいには勇んで臨んだトマティーナ祭り。
開始して10分。すでに戦意は喪失していた。
いつになったら終わるんだろう。この祭りは。
どれだけトマトを浴びればいいのだ。人生で食べて来たトマトの量は優に超えているだろ。
ごった返す人波。空中を飛び交う真っ赤なトマト。
特にひどいのは臭いだ。トマトの臭いなんて全くしない。なんとも表し難い悪臭。
中には硬いトマトも紛れ込んでいる。普通に痛い。潰れもしないから服に色もつかない。ただただ痛い。どうせなら服に色はついてほしい。
これが人生で一度は参加したいけど二度と参加したくない祭り、トマティーナか。
うつろうつろしていると会場にチャイムが鳴り響く。
歓喜の声。今回は紛れもなく。満場一致の。歓喜の声だ。
終わった後もプールのように溜まったトマトで遊ぶ。
最初は意気揚々としていた僕ら。
当分トマトは食べたくない。
祭りを終えて宿に戻った僕らはスーパーで買い出しをしてみんなでシェア飯をした。
メニューは鍋としょうが焼き。
手慣れた手つきでしょうが焼きを作っていく日置。トマト臭かった。
全員歳も近く話題は山程あった。
来年はどうやってハムを取るか。どんな靴を履いていけばハムにたどり着けるのか。どういう陣形がハムを取るのにふさわしいか。
どんどん話が出て来た。
4時ごろまで酒を飲みながら話し合い就寝。
忘れられない1日となった。
P.S.のちのち参加者の大半が体調をくずします。蕁麻疹が出たりなど症状はひとそれぞれですが精神的にも肉体的にもなかなかしんどい祭りです。洋服などは使い物にならなくなるので本当にいらないものを持っていきましょう。サンダルは会場で脱げます。ゴーグルはしっかりしたものでなければ曇ります。耳栓をつけている人もいました。細心の注意を払い祭りに参加しましょう。一生忘れられない思い出が待っています。
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